師のおかげで伝統楊式太極拳に出会えたのは、太極拳を始めて十年以上経ってからのことです。
今も、武術を求める気持ちは変わっておらず、伝統楊式太極拳をやっています。
たとえ、仲間が少なくても、武術に思いのある方に、お伝えするのであれば、これだという思いで教室活動をしています。それがMICです。
武術って何でしょうか?
昨今は説明しなければならないようです。
シンプルに考えています。
『古武術の発見』(著者 養老孟司・甲野善紀)という本があります。
この本の中で、甲野善紀先生は次のように指摘されています。
「武術の場合、もっともだいじなことはと言いますと、あたりまえのことですけど、攻めるときは相手が避けようのない攻撃をすること、そして、相手のどんな攻撃に対してもそれを無力化できること、この二点に尽きると思います。」
伝統楊式太極拳は武術です。
攻撃と防御を研究し鍛錬する。徒手であったり、武器を使ったり。
武術に、体操的な美であるとか、舞踊的な美が必要でしょうか。
それは必要ありません。わたしたちはそう考えています。
特別な才能や身体能力は必要でしょうか。
それも必要はありません。愚直、何よりです。
千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。能く能く吟味有るべきもの也。
宮本武蔵の『五輪書』には、こう書かれています。
この剣の達人の言葉は腹中有書としたいものです。
MICは。
🌞達人を目指す気持ち、上達を願う気持ちに賛成です。
🌞個々人のからだの特性を大事にすることに賛成です。
🌞個々人のからだの特性を認めない規格に当てはめたり、規格に合わなければ減点という考え方には賛成しません。
🌞日本人であること。大事です。意気に感じる心、「しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花」の心、大事です。
🌞利交ではなく素交が良いです。
🐯ご参考に 伝統楊式太極拳について (太極拳について)
【伝統楊式太極拳は、いわゆる「新しい太極拳」(制定拳)ではありません。】
下記は、令和4年7月8日現在、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
からの抜粋になります。 『太極拳の健康効果は古くから知られていたが、その習得は容易ではなく、万人向けと言えるものではなかった。そのため、第二次世界大戦後の1949年に建国した中華人民共和国の国家体育運動委員会は伝統拳の健康増進効果はそのままに、誰にでも学ぶことのできる新しい太極拳を作ることを目標に著名な武術家に命じ、楊式太極拳を基に簡略化した套路を編纂、1956年に簡化太極拳(二十四式太極拳)を制定した。これが制定拳の始まりである。制定拳という名称は本来、「国家が制定した套路」という意味を持つ。
制定拳は一種の健康体操として世界的に広められ、またそれと並行して競技化や新たな套路の編纂も行われていた。
日本で武術太極拳と呼ばれている競技は、世界的には『武術(ウーシュウ)』と呼ばれているもので、太極拳、長拳、南拳を採り入れ、一定のルールの下で体系化したスポーツである。採用されているのは制定拳であり、伝統拳との間に直接的な関連性はない。
楊式太極拳
陳氏14世・陳長興の弟子である楊露禅が創始し、19世紀の北京において広く門弟に教授された。その後も、露禅の子・楊健侯、孫・楊澄甫と三代に渡って改良が加えられ、現在は澄甫が開発した大架式の套路が普及している。大架式の動作がのびのびとして柔らかく、発勁においては一見して激しい動作を行わない点が、陳家太極拳との大きな違いとなっている。』