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好奇心からそれは生まれた。少し大げさな表現かもしれないが居町文化部太極拳同好会(長野市居町)は岩佐和代さん(故人)の純粋な好奇心から誕生しました。
岩佐和代さんは気功に興味があり教えて貰える先生を探していらっしゃいました。そして偶然私の演武を長野市中心街のもんぜんぷら座で見て声をかけてくれました。気功をやりたいのだが太極拳は如何なものかと相談され私は迷うことなく太極拳をやりましょうと提案しました。そして岩佐さんのご尽力のおかげで同好会が発足したのです。不思議な楽しい展開でした。
実のところ太極拳は難しいのでどうなることかと少し心配していたのですが、豈図らんや皆さん日頃の鍛え方がすばらしく足腰がお丈夫でかなりきつい基本練習も見事にこなしてくださいました。恐るべし居町の女性パワー。太極拳は生涯の伴侶足り得る。生涯休まず鍛錬することの大切さを改めて感じました。
そして2008年、太極拳信会の発足と同時に練習内容はいよいよ本題の伝統楊式太極拳の套路練習へと進んで行きました。
あれから約2年。お見事。いい動きが出て来ました。見ているこちらも元気が出て愉快な気分になります。どんどん上達してますます楽しい同好会になって戴きたいと思います。
人生経験が豊富な皆さんと接する訳ですから当然こちらの方が勉強になることがたくさんあります。学びの場ですからいい質問が出るのは大歓迎、本質を知る上でたいへん役に立ちます。ある方がこんな自問自答をされました。
「うちの太極拳はよそと違うんだねえ。動作の名前は同じだけど私がやるのと随分違ってたよ。」
「そこはみんなで一緒に合わせて音楽にも合わせなきゃいけないから大変なんだって。」
近所の知り合いがよそで太極拳を習っているので話をしてみたとのこと。私が感心して聞いていると。
「踊りなら周りや音楽に合わせるけどねえ…。」
そして…。
「踊りじゃないんだもんね。“ぶじゅつ”なんだものねえ。」
すばらしい自問自答です。
「そうですよ。その通り。ですから“科”は作らないで下さいね。」とお願いしたのを思い出します。純粋な素朴な好奇心のなせる業です。
皆さんよくついて来てくださいました。本当に感謝しています。最初の頃は何が何だかわからず、「えっ。太極拳ってこんなことするの?」と思われたことでしょう。音楽に合わせる振り付けを覚えるものだと想像していたのではないでしょうか。これはこういう技ですよ。ぼさっーとしてたら敵にやられちゃいますよ。よく自分で考えて下さい。自分自身の感性に聞いて下さい。等々私のような若輩者の言葉によくぞ耳を傾けタコをつくりながらも休まず練習に励んで戴きました。
最近では「太極拳のおかげで健康でいられる。」とのこの上ない嬉しい言葉も聞かれるようになり、本当にありがたいことです。
最後にこの楽しい同好会の礎を築いてくださった岩佐和代さんを偲んだうたをご紹介させて戴きます。作者は同門の北村良枝さんです。(平成二十一年四月)
忽然と冥界に入りしわが友よ 日頃の尽力今にして思ふ
並びゐし稽古の姿今はなく 桜(はな)咲く春となれど淋しき
太極拳の演武に魅せられ集いたる友らと励む道の遥けく
端正な師の姿追ふ稽古にて 緩やかなれど汗にじみくる
2009年10月 瀧澤克夫
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武に学ぶ 太極拳信会 | 音楽教室 弾灯民