メンバーの感想など

◆太極拳について メンバーの感想                                      太極拳に対する皆さんのイメージは、どのようなものでしょうか。中高年の健康体操、華麗な動きを競う体操競技やフィギュアスケートのような表現スポーツの一種、老若何女を問わず手軽に始められるお稽古事などというのが、その主なところでしょうか。
太極拳の愛好者は、日本だけでも100万人以上おり、それぞれの人が様々な目的で太極拳を楽しんでいるのですから、そのイメージも多種多様でしょうが、いずれにしても、ゆっくりとした、曲線的で、柔らかな動きのものというのは、共通したイメージではないでしょうか。
確かに、一般的に太極拳の練習ではゆっくりと、曲線的で、柔らかな動きを繰り返しますが、それが元々は、素早く、効率的に、かつ正確に敵を倒す「太極拳という武術」の練習であることをご存じの方は少ないのではないでしょうか。
太極拳は武術でありますが、その練習法に健康効果があることは、昔から知られていたようです。しかし、簡単に体得できるものではなかったため、伝統的な楊式太極拳を元に誰もが手軽にできる健康法として、簡化太極拳が考案されてから、急速に広まったそうです。
また、太極拳を楽しむ方が増えると競技大会も盛んとなり、競技を主な目的とし、あえて難度の高い動作も取り入れた競技用の太極拳ルールも定められてきています。
このように、太極拳は武術の練習を源流としながら、健康体操や競技スポーツとして受け入れられ発展してきていますが、そのような流れの中で、私たちは、あえて本来の武術練習としての要素を色濃く残した、伝統楊式太極拳を練習しています。武術としての練習ですので、太極拳の型(套路と言います)が本来持っている武術の攻防としての意味を明確に意識したうえで、脚、腰、腕を順序正しく円滑に動かして套路を行う練習を繰り返しています。
このような練習を繰り返すのは、太極拳という武術が、強く大地を踏みしめたことで体に伝わった力を、腰を回転させながら増幅させ、かつ力みによる力の減衰を防ぎながら手、腕、足、脚、肩、膝などを通じて敵を攻撃することを基本にしているためです。
また、本来武術では個人が持っている本来の身体能力を最大限に発揮する必要があるため、体に無理のかかる動作は致しません。これは私たちの練習でも共通していますが、この練習の反復により体が健康になっていくことは、暫くすれば確実に実感できるものと思います。
なお、伝統楊式太極拳には徒手だけでなく、刀や剣の攻防もあります。私たちも、希望者で太極刀や太極剣の練習を行っていますが、刀や剣の套路練習は、徒手の練習とは対照的に、かなりの速さを伴いますので、こちらの練習では、武術としての太極拳の持つ速さや、強さ、また中国武術特有の発勁などがより明確に体感できるものと思います。
これを読んだ皆さんが、体に無理なく健康増進を図りたいと思っていたり、中国武術に興味を持っていたり、武術として太極拳を練習したかったり、あるいは自分の体のペースに合わせて太極拳を練習したいと思っていられるならば、私たちの練習を見学してみませんか。私たちと一緒に練習をすることで、そのような皆さんのご希望に多少なりとも応えることができるものと信じております。(稽古会男性メンバーの感想)  

◆太極拳について メンバーの感想                                     太極拳を始めた時、武術太極拳は武術だと思っていました。           簡化24式太極拳を学びました。
総合太極拳、太極剣、推手等も学びました。
段位を取得し、指導員資格等も得ました。                   疑問が湧いてきました。
『武術太極拳は武術なのか?』                        伝統楊式太極拳を学んでいる今、言えます。
伝統楊式太極拳は武術です。
技であり、鍛錬であり、闘う術です。                     では、『武術太極拳とは何なのか?』                     武術太極拳とは造語でした。
簡化24式太極拳とは簡単にトレーニングできるよう作られた運動でした。
総合太極拳、42式太極剣は競技のために作られた競技種目でした。
段位、資格はお金儲けのための手段になっていました。             今は武術太極拳は武術です、とは言えない自分がいます。
伝統楊式太極拳は武術です、と言える自分がいます。              (稽古会女性メンバーの感想) 

◆連盟のこと                                加盟させていただいている長野県武術太極拳連盟のことですが、連盟にあったことを知らない人が多いのです。2000年にあったこと。2009年の民事訴訟、裁判沙汰。2012年にあったこと。2014年から3つの民事訴訟。2017年に裁判が決着しても混乱は続き、2018年に連盟は任意団体からNPO法人となり現在に至ります。こういうことを知らない方が多い。もうずっと何年も検定絡み事務局絡みで揉めているのですが、知らなくていいのかなと思うわけです。(稽古会代表)

◆「武術太極拳と、武術と、太極拳」                     武術太極拳連盟の事業は、大きく二つ、競技大会と検定試験です。
武術太極拳の競技大会に出場したければ、例外はありますが、連盟に所属する必要があります。検定試験を受けるためには連盟に所属する必要があります。
武術太極拳の競技選手になるということは、連盟の定める競技ルールに従うことであり、そのルールを知る必要があります。武術太極拳の検定試験を受けるということは、連盟の定める合否判定基準に従うことであり、その基準を知る必要があります。
武術の研究と稽古は、からだをどう使うかがテーマであり、からだを使う目的は武術ですから、言うまでもないことです。武術の研究は自由に行われるのが良いと思います。(稽古会代表)